失業保険は確定申告が必要?注意することや手続きまで徹底解説!

労働者が失業した場合に、生活や雇用の安定を図るために行われる給付を「失業等給付」と言います。

失業等給付は、求職者給付・就職促進給付・教育訓練給付・雇用継続給付の4種類に分けられますが、一般的に失業時に受け取れる金銭として”失業保険”や”失業手当”と呼ばれているものは、求職者給付の「基本手当」にあたります。

納付すべき税額を報告する手続きを確定申告と言いますが、失業保険(基本手当)として受け取った金銭も確定申告の対象となるのでしょうか?

結論からいえば「確定申告不要」ですが、逆に確定申告をしたほうがメリットとなる場合もあります。失業保険と確定申告の関係について、解説します。

失業保険は確定申告が必要なのか?

1年間の所得を合計して所得にかかる税金を計算し、納付すべき税額を報告する手続きを「確定申告」といいます。失業保険もまとまった額の金銭を受け取れる制度ですが、確定申告する必要があるのでしょうか?

結論からいえば「確定申告不要」となります。理由は次のとおりです。

失業保険は課税対象にならない

失業保険は非課税となり、失業保険で受け取った手当に対して住民税や所得税は課税されません。また、失業保険は労働の対価ではないため、”所得”にも該当しません。

失業保険とは、失業者の最低限の生活を一時的に保障し、再就職を促すために支給されるものであり、これに課税してしまうと、最低限必要な生活費を下回ることになるためです。

よって、失業保険に対して確定申告する必要はないのです。

失業保険受給中に確定申告をした方が良い3つのケース

失業保険は課税対象となる所得に該当しないため、確定申告をする必要がありません。

ただ、確定申告してはいけないということではなく、確定申告をしたほうが得になる場合もあります。

次のようなケースでは、確定申告することで過払いした税金が返ってくる可能性があります。

年末調整できない場合

企業の社員は税金分の源泉徴収をされているため、税金の納め過ぎになっているケースが多くあります。このため、年末調整を行い、すでに納付済みの税金と実際に確定した税額を比較し、過払いとなっている部分を還付します。

企業の社員として就業している場合、企業が年末に年末調整の処理を行っていますが、年度途中で退職し、12月の年末調整をする時期に再就職をしていない人は、その年の年末調整ができません。

年末調整できない人は、翌年に確定申告をしたほうが良いでしょう。確定申告をすることで、源泉徴収で天引きされていた過払いの税金が還付金として戻ってくる場合があります。

年度内に再就職した場合は、再就職先の企業で年末調整を行うため、自身での確定申告は不要です。

失業後に社会保険料の支払いをした場合

失業保険受給中に、自分で国民年金や健康保険・任意継続健康保険などの社会保険料を支払った場合も、確定申告をすることで還付金を受け取れることがあります。

失業すると基本的には収入が減少します。社会保険料は収入額に応じて金額が決まるので、確定申告で収入減少分を申告することで、次年度に支払う健康保険料や住民税が安くなることがあります。

失業後に生命保険や医療保険の支払いをした場合

社会保険料と同じく、生命保険や医療保険、地震保険などに加入して保険料を支払った場合も、確定申告をすることで還付金を受け取れることがあります。

確定申告の際、控除証明書が必要となります。控除証明書は、10月頃に保険会社から送られてくるので保管しておきましょう。

副業で年間20万円以上の収入がある場合

失業保険の受給中でも、週20時間未満の勤務などの条件を満たしていれば、アルバイトできます。

失業保険受給中のアルバイトによる収入が年間20万円以上となる場合は、確定申告をすると源泉徴収から天引きされた税金が戻ってくる場合があります。

年内に再就職した場合は転職先で年末調整が可能

年度途中で退職し、年内に再就職していない人は、確定申告をしたほうが良いケースです。

一方、年度途中で退職しても、12月の年末調整をする時期までに新しい会社に転職した場合は、転職先で年末調整できるため、確定申告は不要です。退職した前職の収入分もあわせて、転職先でまとめて年末調整します。

なお、転職先で年末調整の書類を記入するときに、退職した前職の源泉徴収票も提出します。

再就職した際に注意すること

失業中に国民年金や健康保険などの社会保険料を自分で支払っていた場合は、転職先で年末調整するときに、その金額も書類に忘れずに記入します。自身で支払った健康保険料を転職先に通知し忘れると納税額が増えてしまう可能性があります。

また、年末調整では、退職した前職での源泉徴収票が必要なので、大切に保管しておきましょう。源泉徴収票は、退職する日に受け取る場合と退職後に自宅に郵送される場合があります。

届かない場合は前職の会社に請求しましょう。退職前に源泉徴収票の発行を依頼しておくとスムーズです。

確定申告の手続き

確定申告は、必要書類を決められた手続き期間中に所轄の税務署に提出します。

必要書類・持ち物

確定申告で税務署に行く際は、次の書類や持ち物を持参します。

  • 確定申告書類

確定申告書類は、国税庁のWebサイトからダウンロードできます。

  • 源泉徴収票

退職した前職の会社から受け取る源泉徴収票は原本が必要です。

  • 生命保険、国民年金保険料などの控除証明書

確定申告書類の添付書類として必要です。

  • 印鑑

書類を訂正する場合に必要なので持参しましょう。

  • 銀行口座の通帳

還付金の振込先となります。

  • 確定申告書類の控え

確定申告書類のコピーを控えとして取っておきましょう。控えを持参しておくと税務署で確定申告書類を提出するときに、収受日印を押してもらえます。控えの保存は必須ではありませんが、住宅ローンや転職先での手当の申請など、他の目的で使用する場合があります。

  • マイナンバーカード

確定申告書類にマイナンバーを記入する欄があります。万が一、記載漏れがあってもその場で記入できるよう、念のためにマイナンバーカードを持参するほうが良いでしょう。

確定申告書の例/国税庁

手続き期間

確定申告の手続き期間は、原則として2月16日から3月15日です。3月15日が日曜日の場合は、翌平日である3月16日が期限となります。

確定申告の手続きは税務署に直接持ち込んで窓口で提出する他、市区町村で設置した確定申告会場に持参しても構いません。

また、インターネットで確定申告書を提出する「e-Tax」を利用することもできますが、税務署への電子申告等開始届出書の提出やe-Taxソフトのダウンロードなど、確定申告するまでの事前準備が必要です。

税務署に郵送で確定申告書類を送付することもできますが、消印の日付が提出日となります。投函する時間帯によっては翌日の消印になってしまうこともあるので、手続き期限ぎりぎりに郵送するのは避けましょう。

失業保険をもらいながら扶養に入れる?

失業保険は労働の対価ではないため、非課税で所得に該当しないと説明しました。所得にはならないのなら、失業保険の受給中に扶養にも入れるように見えます。

ところが、失業保険で受け取った金銭は、扶養条件においては所得とみなされるため、扶養に入れる条件は非常に限られてしまいます。

扶養には健康保険・年金の扶養と税法上の扶養の2つがあり、それぞれ扶養に入れる条件が違います。

  • 健康保険や年金の扶養:年収130万円以下の場合は扶養に入れる(=失業保険の基本手当日額が3,611円(年収130万円÷360日)を超えていなければ扶養に入れる。)
  • 税法上の扶養:年収103万円以下の場合は扶養に入れる

このように、失業保険をもらいながら扶養にも入れる条件は限られています。

まとめ

所得とはみなされない失業保険(基本手当)は確定申告する必要がありませんが、逆に確定申告をしたほうがメリットとなる場合もあります。確定申告をする場合、確定申告がはじめてであれば、確定申告書類の提出は税務署へ直接持参する方法をおすすめします。その場でアドバイスを受けながら内容を訂正することも可能なため、書類の不備が防げます。

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