ネットワークビジネスで成功する誘い方の鉄則は、ここ数年で一気に変わりました。
かつては不安を煽って契約させるのがセオリーなどとされていましたが、今は違います。
ネットワークビジネスで成功するための伝え方や誘い方を失敗例も交えながら説明します。
目次
ネットワークビジネスを失敗する最大の原因
ネットワークビジネスに失敗する人の90%以上は、ネットワークビジネスをはじめて数ヶ月のうちに挫折すると言います。
実際に挫折した人に失敗の原因を尋ねてみると、このような答えが返ってきます。
- 「誘い方が分からないので、とりあえず”いいビジネスがあるから聞いて”と連呼していたら友達がいなくなった」
- 「”どういう点が良い商品なの?”と質問されたが答えられず、何か売りつけようとしていると怪しまれた」
- 「今、金欠で・・と悩んでいる友人に商品を勧めたら、怒りを買った」
- 「”どういう仕組みで儲かるの?”と質問されたが、実は自分が良く知らない」
- 「ネットワークビジネス会社だと思って契約したら、悪徳業者だった」
- 「すぐ収入になるかと思っていたけど、時間がかかるので飽きた」
このように、ネットワークビジネスに失敗したという人の体験談の例を挙げたらきりがありません。
ネットワークビジネスの成功率は3%~5%だといわれています。
少なくとも95%近くの人が失敗しているか、まだ満足できる結果を得ていないことになります。
ただ、ネットワークビジネスで失敗している人には共通点があります。
それは「まだ自分がネットワークビジネスについて知らないうちに、自己流の方法で勧誘してしまう」ことです。
本人が良いと思っていない商品を勧められて心が動くでしょうか。
また、収益の仕組みを理解していない人のビジネスの話を信用するでしょうか。
このような、社会人なら誰でも予想できることを忘れてしまう人が非常に多いのです。
まずは、自分が契約したネットワークビジネス会社の商品・サービスのことなら何でも答えられるように熟知しておくことが必要です。
次に、契約した会社の報酬プランと収益の仕組みをしっかりと理解しましょう。
ネットワークビジネスで絶対にやってはいけないダメな誘い方
笑い話のような誘い方ですが、次のように勧誘をしてしまう人が実際に多くいます。
「大切な◯◯さんだから会わせたい人がいるの!」
自分自身の言動を振り返ったときに、本当に大切な人に「大切な○○さん」などと声をかけるでしょうか。
大半の人は、実際に「大切な○○さん」などと声をかけられても、気持ち悪がって警戒するのではないでしょうか。
それなのにネットワークビジネスでの勧誘では「大切な◯◯さんだから会わせたい人がいる」を連呼してしまう人が少なくありません。
「大切な◯◯さんだから」と勧誘してしまうときは、自分が集客したいから自分のために足を運んでほしいという一方向の願いのみで、相手のことは何も考えていません。
相手のニーズなど頭はなく、聞き心地の良い「大切な○○さん」という言葉で相手を強引に動かそうとしているのですね。
そんなあなたの心の内を相手も見透かしています。
「おもしろいセミナーがあるから行ってみない?」
上記の「大切な○○さん」の呼びかけと同様、とにかく勧誘目的のセミナーに足を運んでもらいたいので「おもしろい」という、いかにも興味をひきそうなワードで誘っている例です。
本当に面白いものは「おもしろい」などと単語一つで語れないものです。
本当に面白かったのなら、どんなセミナーだったのか、誰のどんな話に心を打たれたのか、”おもしろい”という言葉よりも目で、態度でその面白さを伝えたくなるものではないでしょうか。
誰しも「おもしろい」と言われるものは大抵面白くないことを、経験値として分かっているので、「おもしろいセミナー」などと言われた途端に、行きたくないと断られてしまうのです。
「人生で二度と来ないチャンスなんだ!」
起業してからその会社が何年生き延びたかを示す、生存年数率というデータがあります。
生存年数率は1年で40%、5年で15%、10年で6%、20年で0.3%、30年で0.02%です。
起業など人生で1度の挑戦であることが大半です。
それなのに、たった1年で6割の企業が倒産し、無事に創業30周年を迎えられる会社が5000社に1社とは、人生は上手くいかないものだとつくづく思い知らされます。
その他、お年玉年賀はがきの1等が当たる確率が0.0001%、年末ジャンボ宝くじで2等が当たる確率が0.0001%、3等等が0.001%です。
このような確率ですから、社会人として日々汗を流して働いている人たちは、一発逆転の成功のチャンスなど一生ないだろうと思いながらコツコツと頑張っています。
そのような人たちに「人生で二度と来ないチャンス」と言っても、一蹴されるのは当然です。
「うちの会社の商品が一番!」
顧客のニーズが多様化し、少し良いというレベルの商品・サービスでは満足されなくなっています。
ネットワークビジネスでの商品・サービス以外でも、顧客のニーズを満たすため各社が切磋琢磨していることは誰でも知るところでしょう。
社員一丸となって血の滲むほどの努力をしても、他社よりもほんの少し秀でている商品を作れる程度。各社の商品の品質差は僅差です。
そのような状況の中、「うちが一番」などと断言されると、「心意気は分かるけど、嘘っぽいから何かの勧誘かな」と距離を置かれてしまいます。
「いろんな会社見たけどウチが一番成功しやすい!」
この誘い方は、やってはいけない誘い方とは一概に言えないかもしれません。
「いろんな会社のうちウチが一番成功できる」というのが、本当に成功している人の発言なのであれば、真実なのでしょう。
ネットワークビジネス会社は、年間200社~300社が新しく生まれそのうち3年後に残っているのは1社か2社といわれています。
これだけの会社数があるので「いろんな会社を見た」という部分は、誰が言っても信用してもらえるでしょう。
一方で、「ウチが一番成功できる」と聞くと、「成功できる人なら、他の会社でも成功しているはずなのでは?」と不審がるのは当然です。
ネットワークビジネスで成功する誘い方の5つのポイントとは?
やってはいけないダメな誘い方・伝え方を踏まえて、ネットワークビジネスで成功する勧誘方法には5つのポイントがあります。
相手のニーズを確認すること
トマトが買いたいと思っているときにいくらウチのキャベツが新鮮でお買い得ですと言われても誰も買いません。自分が欲しいのはトマトだからです。
誰でも分かることですが、なぜかネットワークビジネスの勧誘では皆そのことを忘れて、「うちの会社の商品が一番」などと、ダメな誘い方に陥ってしまいます。
ネットワークビジネスで得られるものは何でしょうか。
会社員としての収入と別の副収入や、労働から解放されることにより得られる自由な時間かもしれません。
ネットワークビジネス会社の商品やサービスは品質に定評があるため、会員にならないと購入ができないそれらの商品やサービスも、ネットワークビジネスから得られるもののひとつです。
一方で、いずれも、それらを必要とする人にはニーズですが、不要な人にとってはその情報すらノイズでしかありません。
ネットワークビジネスを通して得られるものは、相手にとって必要なものかニーズがあるかどうかを見極めて勧誘活動をしなくてはいけません。
外見をきちんとする
人は中身で勝負などと言う人もいますが、人は人を見た目で判断していることは事実です。特に第一印象が及ぼす影響は大きいものです。
人に対する印象のうち65%が、見た目やしぐさ、振る舞いなどといった非言語的なコミュニケーションにより作られるといいます。
会話など言語的なコミュニケーションにより作られる印象は35%に過ぎません。
話が圧倒的に上手いが見た目やしぐさが悪い人より、話がチンプンカンプンだが見た目が良く振る舞いが好ましい人の方が、相手に与える印象が良いということになります。
そして、一番はじめに悪い印象を与えてしまうと、その印象を覆すのは難しいとされています。
既にあなたのことを知っている知人や友人のみを勧誘していたのでは、ネットワークビジネスで稼げません。勧誘する相手の大多数は初対面の人になります。
外見や振る舞いをきちんとするだけで、人に与える印象の65%をコントロールできるのですから、やらない手はありませんね。
言葉遣いに気をつける
会社などではビジネスにふさわしい言葉遣いができる人でも、ネットワークビジネスでの勧誘となると突然タメ口になったり、乱暴な言葉を使ったりする人がいます。
ネットワークビジネスの勧誘では、話をする場所がカフェやレストランなどくつろいだ場所であることも理由の一つでしょう。
忘れてはいけないのは、ネットワークビジネスは”ビジネス”だということです。
相手が年下でも敬語を使いましょう。
相手の名前を呼ぶときも、○○君などと言ってはいけません。○○さんです。
相手と仲良くなったとしても敬語を使い続けます。
ネットワークビジネスはビジネスであるという基本を忘れずに相手に接しましょう。
相手の話を聞く
勧誘ですから、相手にはこちらの話を聞いてもらいたいですね。
かつて、マサチューセッツ州のウェルズリーカレッジの心理学者クリス・クラインケ氏が、こんな実験をしました。
3人の心理カウンセラーに対し、これから話をするのはクライアントだと嘘の情報を伝えます。その様子を撮影したビデオを第3者に見せ、それぞれのカウンセラーの好感度を判定してもらうという実験です。
- カウンセラー1:自分が33%話すカウンセラー
- カウンセラー2:自分が50%話すカウンセラー
- カウンセラー3:自分が67%話すカウンセラー
この3人のうち、最も好感度が高いと判断されたのは、1番の33%しか話さないカウンセラーでした。
好かれる人の条件の1つに「相手の話を聞く」というものがありますが、これが実験で裏付けられたかたちです。
ネットワークビジネスの詳しい話を説明するのは、相手の話をよく聞き、好印象を持ってもらってからで遅くはありません。
法律を守る
ネットワークビジネスは”ビジネス”なので、必ず守らなければいけないルールがあります。
ネットワークビジネスに関連する法律と、あなたが参加しているネットワークビジネス会社の規約です。
特定商取引に関する法律
ネットワークビジネスへ誘う時に、はじめに自分の名前などを相手に伝えなくてはいけません。
伝えるべき情報は、統括者の氏名・勧誘者の氏名・一般連鎖販売業者(ネットワークビジネス会社名)・ネットワークビジネスへの勧誘目的であること・購入すべき商品・報酬を得るための仕事の内容です。
また、次のような禁止事項も定められています。
- 相手の意志に反して長時間拘束することの禁止
- 1度勧誘を断られた相手に対し、許可なく再度勧誘することの禁止
- 広告を出す場合は誇大広告の禁止
- 未承諾のメールを送ることは禁止
薬事法
薬事法では、確実な効果があるという表現は禁止されています。また、実証値以上の効果や効能を示してはいけません。
ネットワークビジネス会社が扱う商品では、化粧品や健康食品が多いため、薬事法にも注意が必要です。
ネットワークビジネス会社の規約
特定商取引に関する法律や薬事法の他に、ネットワークビジネス会社ごとの規約があります。規約を守らないと、会員の権利を剥奪する可能性があると明記されているものがほとんどなので、注意が必要です。
規約で、満20歳以上であることや既存会員からの紹介であることを求めていたり、学生や公務員の参加を禁止している場合があります。
特定商取引に関する法律は、2016年に改定されましたが、不適当な勧誘活動を厳しく取り締まる内容に改定されています。
ダメな勧誘の例で紹介した「おもしろいセミナーがあるから行ってみない?」も、ネットワークビジネスの勧誘であることを告げていないため、法律違反という観点でもダメな勧誘方法なのです。
法律やネットワークビジネス会社の規約を守り、トラブルから身を守りましょう。
ネットワークビジネスに勧誘されやすい人
ネットワークビジネスに勧誘されやすい人には特徴があります。
まじめで責任感が強い人
ネットワークビジネスはビジネスです。誰からも信用されるまじめな人がネットワークビジネスに向かないわけがありません。
実際、まじめで責任感強い人の勧誘には耳を傾けてもらえる確率が高く、商品も買ってもらえるそうです。
このような人なら、ネットワークビジネスを共に戦う同志として、メンバーに加わってもらいたいと思われるのは当然です。
品質へのこだわりが強い人
ネットワークビジネスでは、口コミで商品やサービスの良さを広めてもらって購入に繋げなくてはなりません。
実際に、ネットワークビジネス会社が扱う商品・サービスは高品質なものばかりです。
どのような商品でも、その品質にトコトン拘るタイプの人は、ひとたびネットワークビジネスで扱う商材が気に入れば、熱烈なファンになります。
「この商品の良さを他の人にも分かってもらいたい」という熱意から、自ら会員になる人も多いといいます。
環境問題に関心がある人
ネットワークビジネス会社が扱う商品には、無添加・天然由来や環境への配慮を売りにした商品が多くあります。
環境問題へ強い関心を持つ人、皮膚が弱く様々な肌に優しいという石鹸や化粧品を試してきた人、過去に大きな病気をして健康に人一倍気を使っている人などは、ネットワークビジネス会社が扱う商品を気に入る可能性が高いです。
そのような商品のファンとなった人は、自ら会員となる可能性も高まります。
素直な人
素直でおとなしそうに見える人も、ネットワークビジネスに勧誘されやすいとされています。
素直な人は、疑うことなく商品の良さを受け入れ、さらに他の人にも商品を知ってもらえるように努力します。
ネットワークビジネスでさりげない誘い方とは?「誘わない誘い方」
これまでネットワークビジネスへの誘い方の鉄則として、こんな勧誘方法が指南されてきました。
リストアップしてターゲットを決める
まずはこれまでの知り合いの方などをリストアップします。現状に不満を持っていたり、孤立している人を選ぶと良いですが、現在の状況などは把握できていない古くの友人などもいると思いますので、まずは色々考えずにリストアップしてみましょう。
会うためのアポイントを取る
ビジネスの話をすぐにできる人は、そのまま事業説明会に誘っても良いですが、そのような関係性ではない方の場合は「たまたま近くまで行く予定がある」「久しぶりに飲みに行こう」「せっかくだからお茶でもしない?」というように会う約束をします。
相手の話を親身に聞く
レストランやカフェなどの飲食店でアポを取る場合が多いかと思いますが、その際に世間話から、自分の話ばかりをするのではなく、相手の近況などを聞くようにします。
ニーズを聞く
ネットワークビジネスをやるうえで得られるもの。例えば「継続的な収入」などがあると良いと思われる相手の状況(ニーズ)を会話の中から拾うようにします。
例えば
・「小学生の子どもならこれからお金が必要になる」
・「親の介護が心配」
・「給料が減ってしまって生活が大変」
・「旦那の給料が下がって、アルバイトを始めた」
・「今やっている事業がうまくいってない」
などの話がぴったりです。
セミナーに誘う・アップの人につなぐ
相手のニーズを聞き出せたら
「私も同じようなことで悩んでいたが、それを解決できるようなビジネスを始めた」
「興味があったら一度話を聞いてみない?」
と言うような形で、相手から興味を持つように話をするのが良いでしょう。
「最近一緒にそのビジネスをしている人を紹介したいので、一度会ってみない?」
等も自然です。
ネットワークビジネスへの勧誘の鉄則は、法律を守りつつ、相手のニーズも満たしながらさりげなく勧誘をするという方向へシフトしています。
それは、「相手から話しかけてくるようにする」方法です。
勧誘する方からは一切誘わずに、相手から話しかけてもらえるように誘導するのです。
話しかけてきてくれる相手はその話のテーマに興味を持っているので、熱心に話を聞いてくれます。
ネットワークビジネスで成功する誘い方のポイントで紹介した、「相手のニーズを満たすこと」が最重要で、ニーズさえ満たしてあげれば、あとは相手の方から話しかけてくれるのです。
今までのやり方だと稼げないネットワークビジネス
ネットワークビジネスの勧誘方法の鉄則も、「相手から話しかけてくるようにする」方法にシフトしています。
これからはネット集客の活用が効率的!
これまでネットワークビジネスでの集客方法は、友人や知人を中心に口コミで勧誘していくという方法が主でした。
口コミ中心の勧誘では、無理な勧誘により友人を失ったり、集客活動のための時間が割けなくなるリスクがあります。そもそも、自分自身の人間関係の範囲内で集客できる人数には限りがあり、稼げる金額もたかが知れています。
そして、2020年初旬には新型コロナウイルス問題が発生。外出すること自体が難しいと誰もが実感していることでしょう。
このような状況下で成果を上げているのが、SNS・Webサイトなどインターネットの力を借りた集客方法です。
ネット集客が口コミと決定的に異なるのは次のような点です。
- ネット集客ではネットワークビジネスに興味のある人だけを集められる
- ネットワークビジネスに興味のない人まで勧誘することがないため、友人を失うなどのリスクがない
- 集客のため自分自身が動く必要がないため、副業としてもネットワークビジネスを始めやすい
ネット集客など不可能だった頃、ネットワークビジネスは、自分の人間関係や時間を犠牲にするビジネスと認知されていましたが、今は違います。
まとめ
ネットワークビジネスで成功するためには、不安を煽って契約させるのが鉄則などと言っていては、集客に結びつかないどころか法律に違反しかねません。
誘い方や伝え方は重要ではなく、いかに相手のニーズを満たし、相手から話しかけてもらえる環境を作れるかが、ネットワークビジネスの成功の秘訣のようです。